眠れない…そんなお悩みが多くなりました。
コロナ禍のストレスで考え出すと交感神経が優位になって眠れなくなる。
ベッドに入ってからも携帯でYouTubeやTikTokを見ているうちに目が冴えて眠れなくなる。
あるいは時差の大きな国とZOOMミーティングがあるなど
現代は、ライフスタイル的に眠らない時代なのかもしれません。
睡眠健康研究センターなどの機関で分析したところ、睡眠に満足している日本人の割合は、
たったの3割。
何らかの不満を持っている人が多いというデータが出ています。
眠れないといってもさまざまです。
研究所にも、全く眠れないタイプ
眠れるけれど途中何度も目が覚める途中覚醒のタイプ
朝、早く覚醒し、眠れなくなるタイプなどなど。
しかし細かくライフスタイルをお聞きしていくと眠れない方には共通していることがあります。
そんな中からぐっすり眠れる方法を5つあげてみました。
①寝室を換気した
②寝室の温度を低く設定した
③かけ布団を重くした
④運動する
⑤天然の眠るための成分を含む食べ物を食べる
これらは、全て化学的なエビデンスがあります。
一つずつ詳しく説明してみましょう。
① 寝室を換気しましょう。
寝ている間に脳が酸欠になっていることが考えられます。
お部屋の二酸化炭素のレベルが1000ppmになると脳が軽い酸欠状態になります。
1400ppmでは脳のパフォーマンスは50%まで低下し2000ppmでは65%低下したことは米国環境健康化学研究所の研究で明らかになっています。
なんと一晩換気しない状態ではCO2レベルが4000ppmまで上がっていました。
これでは頭痛やめまいが起こっても不思議ではありません。
昔の隙間風のはいる部屋ならまだしも、最近は鉄筋が多く、密閉された環境になっています。
夏はエアコンを付けているからと安心してはいけません。
エアコンは部屋の空気を循環させるだけで換気はしていません。
一部換気機能のついたエアコンがあるようですが、一般的に普及しているとは考えられない。
6畳の部屋なら二か所の窓を開けて5分換気すれば完了です。
冬に換気するのが寒いなら、先に十分に部屋を暖めておいてから窓を2か所開けて5分の換気をすれば冷え込むことを防ぐ事ができます。
窓のない寝室の場合なら換気扇をつけておくと良いでしょう。
② 寝室の温度を低く設定する
ピッツバーグ大学で不眠症の患者に対して頭に冷たい帽子を被せて寝る実験を行ったところ全員の寝つきが良くなったという。手の平でも足首から先を冷やしてもよかった。冷やすことによって体温が下がり眠りに落ちるという事です。
寝室の設定温度が低いと冷たい帽子を被ったのと同じような状況になり寝入ってしまうという現象が起こります。
③ かけ布団を重くする
カロリンスカ大学の研究によるとふたつのグループのうち一つのグループには1.5キロのかけ布団を使用したところ5.4%が睡眠の質が上がった。
もう一つのグループには6-8キロのかけ布団を使用したとおろ60%が睡眠の質が上がり42.2%が不眠症が治癒した。
そして1年間観察を続けた結果、92%が睡眠の質が上がり78%が不眠症が治癒したという結果がでたのです。”治癒した” って、これはすごい結果でした。
かけ布団の重いのが無い場合、ベッドカバーでもよいのではないかと思います。
実は 先日枚方市のボランティアで健康セミナーをした折、受講しておられたご婦人が提案してこられたのです。かけ布団は羽毛しかないので軽いのですが重厚なベッドカバーや重いめの毛布をかけ布団の上にかけてみてはどうでしょう。
④ 運動する
これは、まあ…そうでしょうね。だって運動したら疲れるから寝れるよねって誰でも考えますが、化学的に紐解く研究は様々な機関において導き出されエビデンスは山ほどあります。
まずジョンズホプキンス睡眠センターの研究によると、運動することによってノンレム睡眠の中でも最も深い睡眠である徐波睡眠の量が増えることが分かった。
⑤ 天然の眠るための成分を含む食べ物を食べる
”天然の”というのが重要です。
天然の成分は、代謝されるため依存性がないので安心です。しかも大概は健康に良い食材です。
睡眠薬は脳のパフォーマンスを下げますので最後の手段に取っておきましょう。
天然の眠るために必要な成分を含有した睡眠補助剤的な食材を3つくらい上げておきましょう。
1⃣アーモンド、くるみ
2⃣ハーブティ
3⃣キウイフルーツ
まずは、一つめのアーモンドやクルミについて記します。ナッツは身体に良いのですがカシューナッツは意外と糖分が多いので食べ過ぎに注意です。おやつに一握りくらいの量を召し上がるとよいです。
アーモンドやくるみは血糖値やコレステロール、血圧を下げる働きがあり老化から細胞を守る働きも持っています。
セラトニンという眠るためのホルモンの前駆体を取り入れることができ、夜になると眠るためのホルモンであるメラトニンを生成します
もう一つはわたくしの専門のハーブティ。
こちらも、どんどん研究が進んでいて新たなエビデンスが多く出ていますがジャーマン・カモミールやパッションフラワーがお勧めです。カモミールは1日2回、28日間持続的に飲用した結果、途中覚醒が明らかに減少したという研究データもあります。
パッションフラワーは少し苦みがありますが大人のお味です。カモミールはミルクで割ったりしてお子様にも使える優しいお味です。どちらにもアピゲニンやGABAが含まれていてストレスを緩和して神経を落ち着かせてくれます。
更年期の女性ならセントジョーンズワートも効果的です。
寝る30分ほど前に温かいハーブティを頂いてほっこりしてみて下さい。
夜にいろいろ考えても堂々巡りのことが多いですね。
はい!考えるのは終わり!と掛け声をかけて、温かいハーブティの香りを感じて下さい。
そうです。考えるのは明日にしましょう。
ハーブティには、様々な種類があります。個人の体質や体調に応じてブレンドして頂くと美味しく、しかも効果的にいただけます。ハーブティの知識があれば、その時々に応じて多様なブレンドが楽しめます。また大切なご家族の健康をコントロールすることも可能です。
最後に最近の研究で分かったのがキウイフルーツです。
実験では、睡眠障害の患者に、寝る1時間前にキウイフルーツを2個食べてもらったところ42.2%
睡眠の質が上がり途中覚醒が28.9%改善されたとの結果が出ていました。
キウイフルーツには強力な抗酸化成分やセラトニンが豊富に含まれることってあまり知られていません。
セラトニンは、先ほども触れたように眠るためのホルモンであるメラトニンの前駆体です。
これは都市伝説ではありません。台北医学大学(台湾)の科学者によって明らかにされたことをイギリスのウェブメディアであるメール・オンラインが伝えていました。
台北医学大学での研究では、睡眠障害を抱えた男女合計24人を対象に30日間にわたって行われました。その研究で、キウイが驚きの結果を出したのです。
この実験では、睡眠薬など様々な“睡眠を助けるもの”を被験者に試して睡眠時間の長さや眠りにつくまでの時間を計測した。
その中でも、キウイフルーツを食べた場合に、平均して13%も長い時間眠ることができたという結果がでました。しかも、入眠までに要した時間も35%ほど短縮されたのです。
睡眠障害には、よく熟れたジューシーなキウイフルーツがお勧めです。
予防医学って難しいことではなく、日常の中にあります。
知っていれば問題解決したり、避けられることって多々ありますね。
何方が言ったのか無知は罪…です。