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ニュース / コラム

2022/12/28

深い睡眠中に脳の老廃物は排出される

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睡眠に不安のある人は、早い目にケアしましょう。

先日、サイエンスにアメリカの研究機関で脳の毒素排出のメカニズムが解明されたことが掲載されていました。

これは間違いなく、アルツハイマーの治療に役立つ研究です。

先日もアルツハイマーの薬の治験において患者が死亡したことを報じていましたね。

27年前。わたくしがサロンをオープンしたころは、脳にはリンパがないというのが常識でした。

でも、そこに細胞がある限りリンパがないというのは考えられない。存在が見つかっていないだけのはずですよ。とお客様にはお話していたことが懐かしく思い出されます。

しかし10年ほど前に、深い睡眠にはいると左右の脳が少し縮んで真ん中にリンパ液の通る隙間ができて老廃物を排出するのではないかとの考えが発表されて、激しく共感したことを覚えています。

最新の情報ではアメリカの大学の研究チームが解き明かしたとしてサイエンスに発表された情報は、

睡眠中の脳内では、アルツハイマー病の原因のひとつとされるβアミロイドなどの毒素が、まるで洗い流されるかのように除去されているというのです。起きている時は血流は多いけれど脳髄液の流れは止まっている。アルツハイマー病の治療に応用できる可能性がある研究結果ですが、鍵を握るのはノンレム睡眠中に発生する脳脊髄液の大きな流れです。

ですが、施術しているときに、脳脊髄の部分が固くなっている方が多いと感じています。得に頭痛の場合です。

『サイエンス』誌に2019年10月31日付で掲載された研究論文を読むと、わたしたちの脳が睡眠中に毒素を取り除くメカニズムを明らかにしていて興味深い。この研究は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療と予防に新たな道を開く可能性があります。

なぜ睡眠中に毒素は除去されるのか?

ヒトが眠っているとき、脳はいくつかの状態を表します。浅い眠り、無意識に陥るような深い眠り、そして夢を見やすいレム(急速眼球運動)睡眠。ルイスの研究はノンレム睡眠に注目していました。概して夜の早い時間に起きる深い眠り、つまり徐波睡眠のときに記憶の保持が行われることが知られています。

これに関連して、マウスを対象とした重要な研究における仮説が13年に発表されていました。これがわたくしが知っている脳脊髄液の排出の研究です。

マウスが眠っている間に、アルツハイマー病の原因のひとつであるβアミロイドなどの毒素が、脳内から除去されることがわかったのです。

ルイスは、毒素がどのように除去されるのか、このプロセスがなぜ睡眠時にだけ起きるのかに興味をもち脳の周囲を循環する水のような液体である脳脊髄液がかかわっているのではないかと仮説を立てたのです。しかし、睡眠中の何が特別なのかは見当もつかなかった。そこでルイスは、さまざまな実験を考案したのです。

実験参加者は、MRI装置のなかで横になって眠るよう指示され通常の睡眠サイクルを再現するため、実験は深夜0時からスタートしました。研究チームは、参加者たちが実験開始後すぐに眠れるように、前夜は夜ふかししておくよう依頼していたのです。

ルイスは参加者に脳波測定キャップをかぶせ、脳の電気活動を可視化し脳波を見ることで、参加者が睡眠のどの段階にいるのか判別できるように設定しました。一方、MRIは脳内の血中酸素濃度を測定し、脳脊髄液がどれだけ循環しているかを明らかにします。

これらの測定指標が重要なはずだと直感していました。それでも睡眠中にどう変化するか、どのような相互の関連があるのかは、わたしたちにも未知の領域でしたと、ルイスは話します。

鍵となる脳脊髄液のおおらかな流れ

この結果、ノンレム睡眠中に脳脊髄液のゆるやかな流れが、脳を洗い流すことがわかったのです。この流れがどうやって生じるのかは、脳波を見ることで判明したのです。ノンレム睡眠に入るとニューロンの活動は同期し始め、脳全体が同時にオンとオフを切り替えるようになります。

「まず最初に、すべてのニューロンが静かになる状態が観察されます」と、ルイスは説明。すべてのニューロンが一時的に活動をやめるため、必要とされる酸素量が減少する。これは脳への血流量が少なくなることを意味します。そして、その空白を埋めるように、脳脊髄液が大量に流れ込む様子が観察されたのです。

素晴らしい!ロチェスター大学の神経科学者であるマイケン・ネダーガードは話します。ネダーガードは、マウスにおける睡眠時の脳内の毒素除去を初めて報告した、13年の論文の筆頭著者です。脳の電気活動が液体を動かすなんて、誰が想像したでしょうか!

今回の研究はネダーガードがマウスで研究しており、ヒトにとっても極めて重要だと考えられている現象のメカニズムを説明するものです。睡眠は、ただリラックスするためのものではなかったのです。独自の機能があるのですと、ネダーガードは話します。

覚醒時には、すべてのニューロンがオンとオフを同期することはなく起きているときには脳血流量が十分に下がらないので、脳脊髄液の大きな流れが脳内を循環し、蓄積したβアミロイドなどの代謝副産物を洗い流すこともないのです。

高齢の参加者を対象とした実験に期待

この研究は、アルツハイマー病の治療に臨床応用できるかもしれない。近年のアルツハイマー病の治療法の開発は、βアミロイドに照準を絞ってきました。ところが、初めのうちは有望に思えた薬は、どれも臨床試験で暗礁に乗り上げています。

新しい道が見えてきましたと、ネダーガードは話します。βアミロイドという1種類の分子に働きかけるのではなく、脳を洗い流す脳脊髄液の量を増やすことにフォーカスした新たな治療法が想定されるのですから。

もし実現すれば、βアミロイドだけでなく、ほかの有害な分子も除去できる可能性があります。その一例が、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積し、ニューロン間の接続を阻害するたんぱく質です。ごみを全部まとめて一掃する方法は、問題の一部分だけを解決するよりもずっと強力となります。「加齢は、たった1種類の分子の増減の問題ではありません。すべてが衰えていくのです」と、ネダーガードは話します。

今回の発見から、さらに新たな疑問が湧いてきます。ノンレム睡眠以外のほかの睡眠ステージで何が起きているのかは、ルイスの研究の対象外です。また、彼女の研究の参加者はみな健康で若い成人でした。

ところが、彼女がとった研究手法は完全に非侵襲的であり、染料を注入する必要すらなく、このため神経変性疾患を発症している可能性のある高齢の参加者を対象とした実験も実施しやすいのではないでしょうか。

(文章は一部お借りしました)

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