前立腺がんの治療で男性ホルモンの分泌を減らすと、患者の腸内細菌の種類が減るという
研究成果を発表したのは、順天堂大学の堀江重郎教授や福田真嗣特任教授の研究チーム。
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治療の副作用として知られる肥満やうつなどの発症に関わる可能性があるとみられる腸内細菌の種類の減少があります。
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これを食い止めるための食事メニューを開発することなどで、治療の副作用を抑えられる可能性があるというのです。
前立腺がんの治療には放射線治療や手術、薬でテストステロンなどの男性ホルモンの分泌を減らしてがん細胞の増殖を抑えるホルモン療法があります。
ただホルモン療法は肥満やうつ、要介護一歩手前の「フレイル」になるなどの副作用が見られることが報告されています。
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人の腸にすむ腸内細菌の種類などの変化はこれらの症状のリスクに関わります。
男性ホルモンと腸内細菌に何らかの関係がある可能性が指摘されているのです。
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研究チームは日本人の前立腺がん患者約20人を対象に、
ホルモン療法を始める2週間前から約半年後まで便を定期的に採り、遺伝情報を高速で読み取る装置
「次世代シーケンサー」で腸内細菌の種類や量の変化を分析しました。
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治療に伴って血中の男性ホルモン濃度が下がり、治療開始から約3カ月たつと
腸内細菌の種類が減っていました。
もともとあまり存在しなかった種類の細菌がいなくなり、多様性が失われていました。
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研究チームは腸内細菌の変化が治療の副作用の発症に影響している可能性があるとみています。
男性ホルモンの減少がどのように腸内細菌の種類の減少につながるかは現在、不明です。
早急に、より深く研究して頂きたいものです。
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研究成果は前立腺がん関連の医学誌に掲載されています。
(文章は一部お借りしました)