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2022年のノーベル医学生理学賞をスバンテ・ペーボ氏に授与すると発表しました。
ノーベル賞は、皆さまご存知のスウェーデンのカロリンスカ研究所で決定します。
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古代人と人類の進化に関するゲノム解析に関する研究が評価されたのです。
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4年ぶりの日本人研究者の受賞は逃しましたが
実はペーボ氏は沖縄科学技術大学院大学のヒト進化ゲノミクスユニットの客員教授を務めています。
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スバンテ・ペーボ氏は、1955年ストックホルムで生まれドイツのミュンヘン大学やマックス・プランク研究所などで研究に従事してきた方です。
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これまで古代骨を用いてDNA解析を行い、ヒトの先祖のDNA配列を明らかにしてきました。
2010年、ネアンデルタール人のゲノムを解読したことや、新系統のヒト属、「デニソワ人」を発見したこと等が評価されたのです。2020年にはJapan Prizeを受賞しています。
ネアンデルタール人のゲノム解析に成功
カロリンスカ研究所のプレスリリースによると、ホモ・サピエンスに最も近いとされるネアンデルタール人は約40万年前から約3万年前までヨーロッパと西アジアに住んでいたがのち絶滅したことが知られています。
約7万年前、ホモ・サピエンスがアフリカから中東に移動し、そこから世界に広がっていったことは判明していますが、同時期にユーラシア大陸で共存していたホモ・サピエンスとネアンデルタール人がどう異なるのかが考古学上の長年の課題だったといいます。
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これを知るには古代の標本から回収したゲノムDNAの配列決定が必要だったのです。
長い期間が経過したDNAは細かい断片になっていたり、現代人のDNAで汚染されていたりするため、
現代の遺伝学的手法で解読するのは困難でした。1990年、ペーボ氏はネアンデルタール人のミトコンドリアから採取したDNAを使用して分析を開始したのです。ミトコンドリアゲノムは何千ものコピーがあるため成功確率が高いと言い、DNAの配列の決定に成功しました。
ペーボ氏はさらに解析方法の改善を続け、2010年にネアンデルタール人のゲノム配列を発表しています。
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新たなヒト属「デニソワ人」の発見
2008年、シベリア南部のデニソワ洞窟で、4万年前の指の骨の断片が発見されました。
ペーボ氏は非常に保存状態が良かったこの骨のDNAの塩基配列を決定したのです。
その結果、現生人類やネアンデルタール人といった既に知られているヒト属動物のいずれとも異なることが分かったといいます。
新たなヒト属の発見です!
ペーボ氏はこのヒト属を「デニソワ」と名付け現生人類との比較を続けてきました。
そして現在の東南アジアに住む集団の一部では、最大で6%デニソワのDNAの塩基配列を持つ個体が存在することが分かったのです。
絶滅したヒト属とホモ・サピエンスの違いや共通点を明らかにする中で、ネアンデルタール人のゲノムは感染症に対する免疫反応に影響を及ぼしていることも分かってきました。
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カロリンスカ研究所は、ホモ・サピエンスと絶滅したヒト属の遺伝的な違いを明らかにしたペーボ氏の研究を画期的と称えて「何がこれらを分けたのか、何が我々を人間たらしめているのかを明らかにするのが、現在も行われている精力的な研究の目標だ」とこの分野の発展に期待を示しています。
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【沖縄科学技術大学院大学学長兼理事長のピーター・グルース氏のコメント】をご紹介します
この度のスバンテ・ペーボ氏のノーベル生理学・医学賞受賞に際し、沖縄科学技術大学院大学教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
私自身も、マックス・プランク協会時代の同僚であるスバンテ氏を沖縄科学技術大学院大学の教員として迎え入れることに貢献できたことを大変誇りに思います。
スバンテ氏は古遺伝学の創始者の一人で、ネアンデルタール人及びデニソワ人のゲノム解読に成功しました。
ホモ・サピエンスのゲノムとの比較解析により、すでに重要な機能データが得られています。
スバンテ氏は今後、ここOISTでネアンデルタール人とホモ・サピエンスのゲノムの比較解析に取り組むことを希望しており、本学としても大変喜ばしく思っています。
この研究を通して、何が私たちを人間たらしめるのかという問いに重要な知見がもたらされることでしょう
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これからの研究に期待したいと思います。
(文章は一部お借りしました)