ホルモン性のがんのうち男性ホルモンが関わる前立腺がんについて。
海外では、前立腺がんを種々のファイトケミカル
つまり植物由来の化学物質によって予防したり、治療したりしようとする研究が盛んです。
前立腺がんに有効なファイトケミカルと、その作用機序も2021年に発表されています。
非常に多面的に、しかも種々の遺伝子やタンパク質の発現に対して、
個々のファイトケミカルが、どのように作用するのかが示されています。
この発表から単に「野菜は健康に良い」という程度の認識から、
「ここまで詳細に科学的研究が行われた上で植物食の必要性が叫ばれているのだ」と
納得せざるを得ない。
そのうち、アンドロゲン受容体からの信号を受けてから
応答するまでの経路を抑制する、という働きに的を絞って紹介する。
この働きを示すファイトケミカルが示されたうち、
その主要成分と言えるものを順に挙げておくと、
エピガロカテキンガレート⇒日本茶(無農薬)
レスベラトロール⇒赤ぶどう皮、りんご皮
植物性エストロゲン(ゲニステインなど)⇒レッドクローバー
スルフォラファン⇒ブロッコリースプラウト
ケルセチン⇒玉ねぎの皮
アピゲニン⇒セロリ、パセリ、カモミール
リコペン⇒トマト
クルクミン⇒春ウコン
黒麹もご紹介しておきます。
これらのファイトケミカルは、日常的にも、しばしば耳にする成分ではないでしょうか。
抗アンドロゲン作用は極めて優秀です。
従って、これらのファイトケミカルは、
私たちが健康に生きていくための必須栄養素だと解釈しなければなりません。
“7大栄養素”と言った場合、そのうちの一つが“ファイトケミカル”になるわけです。
これが欠乏しているからこそ、がんに罹るのだと解釈してもらってもよいくらいです。
男性の皆さまの中には
既に前立腺がんであると診断された方もいらっしゃることと思います。
また、将来的に前立腺がんにならないだろうかと、
心配されている方もいらっしゃることでしょう。
そのような場合、ここに示されているようなファイトケミカルを
多く摂ることが先決であり、それを多く含む植物を
出来るだけ多く食べることが極めて重要な予防対策になります。
(一部文章はお借りしました)