助産師を中心とした筆者が所属するグループ※では、出産や育児におけるオキシトシンの作用に興味を持って研究をしています。オキシトシンは9つのアミノ酸からなるペプチドホルモンで、視床下部の室傍核や視索上核の大細胞性神経分泌ニューロンで産生、下垂体後葉に貯蔵され、様々な刺激に応じて血液中に分泌されます。オキシトシンの歴史は古く、1906年Daleらによって発見され、Quick birthを意味するギリシャ語を由来に命名されました。オキシトシンは子宮平滑筋の収縮による子宮収縮作用や、筋上皮細胞の収縮による射乳反射などの作用が知られていますが、近年では人間関係における絆の形成に重要なホルモンであることが確認され、現在様々な分野で研究が行われています。
筆者は、妊娠期の乳頭刺激が妊婦に与える生理学的影響の指標として、オキシトシンを測定してみたいと考えました。オキシトシンは、脳脊髄液や血液、尿、母乳などから測定が可能ですが、検体採取において、被験者への侵襲が少なく、連続して複数のサンプルが回収できる利点から、“唾液”でのオキシトシン測定を選択しました。
実験では、妊娠38週以降のローリスク妊婦16名に1日1時間の乳頭刺激を3日間連続で実施してもらい、介入中の唾液オキシトシン濃度の推移を観察しました[1]。唾液オキシトシン濃度を従属変数とし、介入日および介入時間を固定効果としてAR(1)共分散構造による線形混合モデルから、介入1日目よりも3日目において有意にオキシトシン濃度の上昇を推定することができました。
図.1 介入日毎の唾液オキシトシン濃度の平均推定値および95%信頼区間:多重代入法後の線形混合モデル
(文章、データはお借りしました)
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